大坊珈琲店の名前を初めて目にしたのは、美濃加茂市で珈琲店を営んでみえるコクウ珈琲さんのtwitterから。並んでいる本の中に「大坊珈琲店」という名前があり、うろ覚えで聞いたことがあるなと思い、手に取ったことに始まります。
この本の中には、こだわりと物語がつまっている。
大坊珈琲店の中に置いてある絵や花器、使っている器具やカップ、大坊珈琲店そのもののカウンターやイスなど、大坊さんならではの出会いによって、この場所にあり、そこに至るまでの物語が手紙のように丁寧に綴られている。
大坊珈琲店に足を踏み入れたことはないけれど、読み進めるにしたがい、ドアを開けたことがあるかのような懐かしさを感じてしまいます。
ジャズをバックグラウンドミュージックとして流していたことについて、本の一文で「クラシックやロックは、音楽の世界に自分を移行させる感じを持っていました。ジャズは幾分こちらに引き寄せられるような、自分は動かずに自己でいられるような思いがありました。」と記されています。
この一文がとても興味深く、印象に残っています。
大坊珈琲店はビルの建て替えにより閉店してしまっていますが、この本を読んで“行きたかった”と。そんな思いがフツフツと沸いてきます。