ごちゃまぜのまち。郡上八幡。

9月28日。朝から目覚めてから思い立ちで岐阜の郡上八幡へ向かうことにした。郡上八幡は大学3年生の時の課題で木造の体育館を見学をするために足を運んで以来、17年ぶり。国道を車で走っている時に通り過ぎたことはあったけれど、町の中には入らなかった。

市営駐車場に車を駐めて町のメインストリートへと向かう。こんな雰囲気だったような違ったような・・・久しぶりすぎて記憶が曖昧。

町を歩くことは後回しにして昼食を食べに糸CAFEへ。郡上の野菜を使ったスープとパンとカフェインレスのコーヒー。町屋を改修した建物は、時間軸を感じる和の趣を残す部分と新しい木肌をした新材の調和が取れていて優しい雰囲気になっていた。
通りに面した部分はガラス張りで、外を行き交う人がよく見える。観光客がどんな風にどこを見ているのか。人間観察をするのに役立ちそうなカフェかもしれない。

郡上八幡のメインストリート。見渡しても決してキレイな町並みとはお世辞にも言えない。昔ながらの瓦屋根の家屋や町屋以外にも、昭和の時代に建てられた小さなビル、鉄筋コンクリートのホテル、商店街の鉄骨製の「新町通」と書かれた門。統一はされてない。

ごちゃごちゃしたまちを束ねる言葉があるとすればレトロ。町が昭和で止まってしまったような雰囲気があり、鮮やかな独自の色合いを放つ建物は皆無で、昔は派手だった看板も色褪せて、調和の取れたトーンに落ち着いている。古いお店では看板の字体もレトロでいい味だった。

町を歩くとすぐに気付くことの1つに注連縄がある。糸CAFEのお店の方にお聞きしたところ、近くのお店が作っているそうで、笑門、千客万来などさまざま。景色として手で作られた親しみのあるものをお店や住宅の入口に飾ってある姿は美しく、町としてみてもバラバラではなく住民の方の連携が取れているようで嬉しくもなる。

橋から子どもたちが飛び込む川として有名な吉田川は、ヤマメ、イワナ、アマゴ、ニジマスなどの川魚が有名な川。土曜日ということもあり、多くの釣り人が訪れていた。地元のおじいちゃんも釣り人に連れ具合を聞いていたりと、終始和やかな時間が流れていた。

川の中には外からきた釣り人。橋の上では観光客が釣り人を写真で写す。観光客が観光客を撮るという形が、よく考えると不思議な光景だったりもした。

郡上八幡の町は吉田川を中心に郡上八幡城がある北側が観光地、南側は商店街と地元の方の住まいだったはず。それが南側の地域まで観光客が流れ込んできていて、今では南側の方が歩いている人が多いと感じるほど。自分も観光客用に作られたお店が並ぶ北側より地元感のある南側の方が好きだ。

ただ、南側には地元の人のための肉屋さん、総菜屋さん、本屋さん、洋菓子店、クリーニング店など、どこの町にもあるお店も建ち並ぶ。そこを観光客は素通りしてしまうわけで、観光客を受け入れる住民の方の懐の深さに感謝しつつ、帰路につくことにした。

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