五感を戻す

6月8日。前日に梅雨明けが発表され天気が安定しない中、雨の日を避けて三重県の伊賀と滋賀県の甲賀地区へ向かうことにした。

車で向かう途中に休憩も兼ねて菰野町にあるnestに立ち寄る。木々が生い茂る山間に建ち、アスファルトで舗装された細い道と少しの砂利道を通り抜けた先にあるカフェは新緑の景色に覆われていた。鳥の声、虫に食べられた葉っぱ。手入れされた小道を上ると建物が見えてくる。

落ち着いた空気感にたっぷりと量のある美味しいコーヒー。持ち寄った話題ではなくnestの場所を楽しみ会話を楽しむお客さんの声。鉄骨造の細さと厚みのある材料を使った建物の空間バランスが軽すぎず、重すぎず心地がいい。車の中で考えていたアイデアをノートに少しだけスケッチをしながら、たまに天井を見上げてそっと息を吐くと、じんわりと癒やされていく。ほっとしていたら時間がいくらあっても足りないので、少しだけ休憩をして先へ。

nestを出て1時間30分。伊賀にあるイガピザで焼きたてのピザを食べていた。もちもちの生地にズッキーニなど素朴な野菜がのせられた田舎ならではのピザは、本場のピザとは違う美味しさがあるように思ったり。

木造でスッキリとしたデザインの建物を持つイガピザ。そして広々としたウッドデッキ。少しだけ高いところに建つイガピザからの景色は最高で、小高い丘、目の前に田んぼの風景が広がる。

驚いたのは敷地内にツリーハウスが建っていたことだった。初めて見たツリーハウスは重厚感がありながら、子どもの遊具のようなスケール感で、子ども数人で基地合戦ができそうだなと頭の中で想像が膨らむ・・・。中に入っていないけれど、見ただけで楽しそうな雰囲気だった。

伊賀・甲賀地区はちょうど草刈りシーズンだったようで、車で走っていると示し合わせたようにブーンと音を鳴らしながら草刈りをしている人にたくさん出会う。草刈りの音がしていると思えば、堆肥の匂いが漂い、透明度の高い水がシャラシャラという音と共に用水路に流れ続ける景色が続く。

風が木々を鳴らす音と鳥の声。自然と人の営みがシンクロする場所に身を置くと、日々の生活で中途半端にズレてしまった五感が正される。

午後2時頃には次の目的地、三歩書店へ。3年ぶりの三歩書店は以前に増して本が場所に馴染んだような気がした。2019年3月に三重県津市で行われたオールドブックマーケットでご一緒した間柄で、店主さんと古本トークを楽しませていただいた。

最後に立ち寄った場所は甲賀のmamma mia。甲賀に来たら必ず立ち寄っているかもしれない。閉店は5時。到着した時間は4時30分。何とか間に合った・・・。ショーケースの中にあった数少ない洋菓子から甘夏とローズマリーのタルトとコーヒーをいただきつつ、急いでゆっくり過ごしたい気分に自分を切り替える。

mamma miaは洋菓子もコーヒーももちろん美味しい。でも、自分はどちらかと言えば、木工作家である川端健夫さんのテーブルを使い、イスに座って自分の時間を過ごすことができることが目標かもしれない。タルトがのせられた木皿の柔らかさ、厚みも気兼ねなく自分の時間軸で肌で感じられる。

朝から夕刻までのショートトリップ。十分に楽しめた1日だった。

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