小さな事務所のある普通の家

家で仕事をしていると仕事場という名前が付けられる部屋があるといろいろな問題が解決する。仕事の打ち合わせで来客があったとき、仕事の締め切りが近く部屋や机の上に紙や物を散らかしてしまっているときなど、家族にかける迷惑を最小限に抑えられる。

集中して仕事に取りかかりたいときもそうだ。気持ちが仕事モードになっているときは声をかけられたくない。ピリピリした雰囲気を出した状態でリビングで仕事をしていたら、家族に迷惑をかける程度では済まないかもしれない。

普通の住宅地に普通の家族が住む普通の家。そんな家に事務所が併設されていたらどんな家になるだろう・・・。そんなことを少し考えてみた。

家の形は住宅地の家並みから浮いた存在にならないようにまわりの家に溶け込む外観がいい。自分だけが目立つことよりも、住宅地としての居心地の良さを優先したい。家の前には3台ほど車が駐められるようなスペースがあり、来客時にも対応できそうだ。

アプローチを通り抜けて玄関の扉を開けると土間続きで事務所スペースへと繋がる。玄関に並んだスポーツで汚れた子どもたちの靴は、来客が来る前に収納庫へササッと仕舞えるように計画したつもりだ。ボールや野球バットなども余裕で片付けることができる。

事務所のスペースは9畳ほど。仕事で使う机に壁一面の本棚、打ち合わせ用の机も置けるほどの大きさだ。南からの太陽の光が事務所の大きな窓から入ってきて、壁や床を照らし、部屋全体に優しく広がる。もし、来客がトイレに行きたいというときも家族プライベート空間に入らなくても良いように計画している。

事務所からは見えないけれど、扉を開けるとダイニングへと繋がるプランを採用したのは家事のしやすさから。キッチンや洗面、浴室ができるだけ近くにあると時短に繋がる。仕事と生活を切り離しつつも、家事が効率的にこなせる動線はあった方がやっぱりいい。

階段を上がり2階へ行くとリビングへと繋がる。リビングは日常的にも使えることはもちろん、夜寝る前に家族で団らんをする場所としても役に立つはず。リビングからは寝室や子ども部屋へ直接繋がる計画となる。

将来的に働き方が多様になり、夫も妻も副業をしたり、子どもが高校生の内に起業するなんてことも普通になってくるかもしれない。そんな思いを込めて。