伊賀・甲賀へ

つい先日、伊賀と甲賀へ日帰りで行ってきました。前日に天気予報を見たら天気は晴れマークで、行きたいと思っていた三歩書店さんもオープンしている曜日だったというところから思い立って。高速道路を利用しないで下道でぶらぶらと。

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山間にある集落の道に迷いながら、お昼過ぎに三歩書店さんへ。落ち着きのある佇まいの家と手入れされた庭が印象的で、アプローチの石の上をポンポンと歩く。知人の家に訪問するような感覚で開いている扉の中を覗くと、本の空間がそこにありました。

本が好きな店主さんの空間にお邪魔をして、好きな本を本棚から手にとって読ませてもらっているような感覚。部屋に広がる木の香りと窓を抜ける心地いい風が、初めて訪問する時に感じるドキドキした気持ちを体の底からホッ〜と落ち着かせてくれる・・・そんな場所でした。

本棚を見ていて手に取った本は森岡督行さんの荒野の古本屋。森岡書店さんは銀座にお店があるということから、近寄りがたいと勝手に一線引いていた。ただ三歩書店さんが本をセレクトし、この本棚に並べた本であれば読んでみたい。そう思った。

三歩書店さんを最初に知ったのは、一宮市のまちづくりで活躍する星野さんが、facebookで三歩書店のオーナー住吉さんのハガキを載せていただいたことに始まる。そんなご縁もあって、少し一宮トークで盛り上がらせていただきました。また、お邪魔させていただきます。

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三歩書店さんから車を走らせて20分くらい。甲賀のマンマミーアさんへ。今回が2回目。マンマミーアさんで感じさせてくれることは独特のスケール感。外から見る建物は田舎にある瓦葺きの住宅よりも大きく、中に入っても1つ1つの空間が大きい。ちょっと違和感があるのに、なじみのあるスケール感がそこにある。

元々小学校だったからと言えばそれまでだけれど、絶妙な建物のスケールの居心地がいい。この感覚は益子のstarnetもそうだった記憶が頭の中を一瞬よぎった。

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席に座ってコーヒーを飲みながら外を見る。丘の上から景色を見るという経験があまりない。ふと、元校舎のこの窓から昔の小学生は授業中に何を思いながら窓の外を眺めてたんだろう。

外を眺めると農作業をする人々がきっと見えたはず。親や兄弟、親戚や近隣に住む大人たちが仕事をしている姿を見ているということは、どのような気持ちなんだろう。

写真を撮りながら、そんなことを思ったりした。

帰路。

甲賀の道を車で走っていると、小さな丘を越えると田畑と家が広がる風景が繰り返される。よく行く岐阜は高い山と険しい川の間に集落があり、自分は平坦な平野に住んでいることもあって、この景色が新鮮に写る。目線が空でも地面でもなく、自然と丘の上に向かう。

自然な色が広がり雑音が少ない中で、木々の音、自然の香り、人の営み、暮らしの基本、体の中にある心の芯が太くなる感覚があって、生半可な気持ちではこの自然の中で生きていけないんだなという感じがした。

生活が深く根付いたこの土地に、浮き足だった外の人を向かい入れてくれる懐の深さにありがとう。収穫した野菜を手押し車に入れて、川沿いをゆっくり歩くおばあちゃんを見ていて、そんな気持ちになりました。

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