[sketch #5]裏路地に建つ職人の仕事場と住まい

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[スケッチ #5]裏路地に建つ職人の仕事場と住まい

目の前にある品をみて「あぁ!」と思うことがある。それが機械で作られた寸分の狂いもない物を見て心を打たれるときもあれば、人の手で作られた作品を見て魅了されてしまうこともある。今回は後者にスポットを当てたい。

独立したばかりの職人が仕事をして生きていくことに慣れていない町では、職人に合う物件を探すことが難しい可能性があるように思う。人の動き、音・・・まわりの家々とは違ったリズムで時が刻まれていくかもしれない。どんな場所でどんな建物であればいいだろう。

例えば、町の商店街から一歩中に入ったような裏路地で、商いと住まいが混在する地域。布や革、金属などを扱い小さな作品をつくる職人さんをイメージしたい。

駐車場を除いた建坪9.5坪の小さな建物。1階には主に仕事場空間と収納庫に当てられる。仕事場の空間は大きな机を中心に作品を作る場所、作品を置いたり、常連さんとたわいもない会話をしたりと、店として機能する場所とする。仕事場の空間から奥に行くとトイレとプライベートな空間へ行くための階段を設けている。

商店街でイベントが行われれば仕事場は少しだけ形を変える。店の空間はギャラリー兼休憩所、奥のトイレは一般の方でも使用できるように開放したい。駐車場前の空間ではテントブースで飲食店が出店することで町に動きが出るようにも思う。

2階に上がれば、必要にして十分な住まい空間が現れる。その中で唯一浴室がだけが少し大きい。足を伸ばして浴槽に入ることができ、上を見上げればトップライトから星々が見える。仕事の疲れをゆっくりと落として欲しいという思いを込めてみた。

また、ワンルームの部屋に設けられた横長の窓からは、室内の光を少しでも外に届ける役割も与えたいと思う。人が生活している雰囲気を町に与えたいと思うと同時に、暗くなりがちな裏路地の道路を明るく照らすことができたならとの思いもある。

作品をお客さんに届ける場所は、このお店以外にも、イベントへの出店に加えて販売会を開いたり、インターネットでお店を持つことも一般的な時代。お店としての機能を最優先していないケースの1つとして考えてみた。

-お願い-
この建物は「こんな家があってもいいな」という考えのもとにササッとスケッチしたものになります。そのため、実際に建築されたものではなく、架空の敷地に計画をした建物になります。ご了承ください。

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